倉敷南1年次2年次キャリア教育同窓会
1・2年次_サイエンス講演会
投稿日:2025年3月7日(金曜日)3月7日(金)午後、本校の1・2年次生を対象に「サイエンス講演会」が開催されました。今回の講師は、本校の第7期生であり、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙輸送技術部門 射場技術開発ユニット 主任研究開発員として活躍されている田山 聡氏です。演題は「宇宙に学ぶ~ロケット打上げの現場から~」でした。本講演では、ロケット開発に携わる同窓生の話を通して、宇宙開発や科学技術への興味・関心を高めるとともに、探究的・文理横断的な学びの視野を広げることを目的としました。また、挑戦や失敗を恐れずに夢を追い続けることの重要性についても詳しくお話しいただきました。


講演では、JAXAの概要説明に加え、人工衛星がなぜ落ちてこないのか、宇宙開発の全体像や各ロケットの特徴、ロケットエンジンの開発に3Dプリンターが使用されていること、パーツの一部には自動車用の部品が流用されていること、ロケット打ち上げ時には半径3km以内には立ち入ることができないことなど、宇宙開発の裏側について詳しくご説明いただきました。また、ロケットをどのように打ち上げるのか、どのような人たちが関わっているのかについて、実際の写真を交えながら解説いただきました。
ロケット開発においては、多様な知識が必要であることも強調されました。ロケットに関わるには工学技術だけでなく、プログラミング、法律、財務、建築、広報、気象、さらには太陽活動の監視など、さまざまな分野の専門知識が求められます。一人ですべてを理解することは難しいですが、それぞれの分野のプロフェッショナルが協力することでロケットの打ち上げが実現しています。そのため、「ロケットを打ち上げたいという気持ちがあれば、どの分野からでも関わることができる」というメッセージが伝えられました。


また、田山先生は「目標を持とう」「人より少しだけ好きなことを見つけよう」と生徒たちにお話がありました。特に、「若者の特権は根拠のない自信である。『なんかできそうじゃん』という気持ちが大切」と述べ、自身が中学生の頃にロケット打ち上げのニュースを見て憧れを抱き、JAXAに入社するまでの経験を交えながら、「何かやりたいことがあれば、何でも挑戦できる。君たちは何にでもなれる」と力強く伝えてくださいました。
講演後の質疑応答では、「どれくらい勉強していたのか」「打ち上げが生態系に与える影響はあるのか」「佐渡ヶ島のほうが近いが、なぜ種子島なのか」「デブリについて」「メンタルが落ちた際にどう対処したか」といった質問が寄せられました。
最後に田山先生からはドラマルーキーズの「夢にときめけ!明日にきらめけ!」というエールを、生徒たちに送ってくださいました。


さらに、講演会後には希望者を対象とした座談会も行われ、踏み込んだ質問によって宇宙開発についての理解をより深めることができました。今回の講演会を通じて、生徒たちは宇宙開発の最前線に触れるとともに、「自分の好きを貫く」ことを学ぶ貴重な機会となりました。

